生命保険の必要性営業に役立つ官公庁作成資料の拾い読み

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③第43回金融審議会総会資料を読みました。

令和2217日(月)第43回金融審議会総会資料

43回金融審議会総会・第31回金融分科会合同会合議事次第:金融庁

 

金融審議会は金融制度の調査・審議を目的とした金融庁の諮問機関で、概ね半年に一回開催され、資料が公表されています。

 

今回の報告は①「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」、②「市場構造専門グループ」(株式市場の再編)、③「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の進め方」です。

 

保険営業の観点から注目したいのは①のうち、「金融サービス仲介法制」(③も気になりますが、他の方の情報発信等をご参照頂ければと思います)。

①については、新聞報道等にもあった通り、20191227日に計7回の審議をまとめた報告がされています。

少し遅くなりましたが、改めて確認致しました。

 

以下①のうち、「金融サービス仲介法制」について、私なりにポイントをまとめました。

宜しければお付き合い下さい。

 

まずは、法政治学研究科教授の神作委員の説明から

・多様な金融サービスをオンラインで提供することが可能となり、例えば、銀行口座等を管理するしながら、顧客の資産状況・ニーズを基に融資や投資信託や保険商品の提案をするビジネスの出現が想定される

・多様な金融サービスをワンストップで提供する仲介業種の創設について、具対的な検討を行った

検討の柱は、シングルライセンス化(業種を跨いだひとつの登録制度)、特定の金融機関への所属を求めないの2

 

以下、資料1−2p20-2章「金融サービス仲介法制」より

・(スマートフォン等で)複数業種(銀行・証券・保険)にまたがって、多数の金融機関の金融サービスを仲介する場合、現行制度では、業種毎の規制が存在し、複数の登録等・所属する金融機関からの指導への対応が求められる

 

1.《基本的な考え方》

・新たな仲介業への参入により、複数業種をまたいだ商品・サービスの仲介が可能

・新たな仲介業種には所属制を採用せず、取扱商品・サービスの限定、利用者資金の受入制限、財務面の規制等により利用者保護を図る

 

2.業務範囲

・銀行代理業、金融商品仲介業、保険募集・仲立人の業務

・「仲介」とは、他人のためにある事項について代理または媒介すること

・仲介にあたって高度な商品説明を要しないと考えられる商品・サービスに限って取扱を認めることが適当

高額・長期の保険契約の仲介にあたっては、一般に、個々のリスクとと顧客意向の見極めや商品内容等の顧客説明を一層丁寧に行うことが重要となることから、商品性に加え、商品特制に応じた保険金額・期間による限定も考えられる

 

3.参入規制

・顧客の保護を図る観点から保証金の供託等を求めることが適当

(保証金の水準は事業規模に応じたものとなることが望ましい)

・銀行・証券・保険の各分野において、既存の仲介業の許可・登録を受けている場合、新たな仲介業としての登録を認めないことが適当

(異なる分野の登録は可、また子会社の参入可否については整理要)

 

4.行為規制

・資金供与(預金受入)、資産運用、リスク移転の仲介においては、必要とされる行為規制は当然に異なり、必要なルールの過不足ない適用の確保が必要。

・顧客資産の預託の受入れを禁止することが適当

・仲介分野、兼業業務、グループ会社間で取得した顧客情報の敵制な取扱の確保を求めることが適当

・金融機関と新たな仲介業者との関係は指導関係連携・協同関係となることが想定

新たな仲介業者は所属金融機関を有しない既存の保険仲立人の制度にならい、金融機関から受け取る手数料の開示を求めることが適当

(報酬・利益をどこから受け取るかについて制限を設ける必要性は乏しいと考えられる)

・顧客に対する適切な情報提供を確保するため、書面交付、適合性原則を踏まえた対応を求めることが適当

・各分野毎の禁止事項(銀行の情実融資、証券のインサイダー情報を利用した勧誘・損失補填・顧客の注文動向等の情報を利用した自己売買、保険の意向把握義務・自己契約の禁止・告知妨害の禁止・不適切な乗換募集等)を参考に必要なルールを過不足なく設けることが適当

 

5.その他

・仲介業者のシェア・規模・存在感が大きくなっていく可能性はあるものの、金融機関との関係性において支配的な影響を及ぼすような懸念は現時点では大きくない

・新たな仲介業者に係る協会を設け、自主規制の整備、適切な業務運営に資する情報交換等、紛争解決手続きの整備がされることが望ましい

 

おわりに

・情報通信技術が飛躍的な発展を遂げる中、金融分野を取り巻く変化のスピードは今後さらに加速していくことが想定され、イノベーションも取り込みつつ、利用者保護の確保・利便性の向上の両立へ、金融制度の在り方を不段に見直していくことが重要

・利用者のへの金融教育やITリテラシーの向上に向けた取組が進められることが期待される