④一般社団法人生命保険協会「人生100年時代における生命保険業界の役割について」を読みました。
④一般社団法人生命保険協会「人生100年時代における生命保険業界の役割について」を読みました。
4月17日に生命保険協会から公表されました(官公庁作成資料ではありませんがご容赦下さい)。
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https://www.seiho.or.jp/info/news/2020/20200417_2.html
「人生100年時代」の高齢社会における様々な環境変化に伴い生じる、老後生活資金の不足や認知症の増加などの国民不安を改めて認識した上で、お客さま視点を追求した「3つの安心の提供を通じて、国民不安の解消へ寄与する生命保険業界の役割を整理した資料とのことです。
以下、私なりにまとめたポイントです、宜しければお付き合い下さい。
◇はじめに〜生命保険事業の理念・社会的使命
・「相互扶助」の理念(不変・不易)
・「生涯にわたり、お客さまに安心をお届けする」という社会的使命(不変・不易)
・環境変化に伴うお客さまの不安・ニーズを踏まえた進化(変化・流行)
◇8つの主な環境変化
・老後の期間が長くなる、例えば、2017年男性の老後は16年、女性は24年
・高齢化率は上昇、2042年に65才以上人口のピーク、2055年に75才以上人口のピーク
・出生数は減少を続け、死亡数は2040年頃まで増加し、高止まり
・65歳以上の人のいる世帯は、夫婦のみ世帯が中心、一人暮らし世帯も増加
・医療の進歩により病気になっても長期生存(働きながら治療)できる可能性が高まる、入院期間の短期化、高度で高額な医療技術が多数開発
・IOT、ロボット、人工知能(AI)ビッグデータ等によってイノベーションが創出
・一人ひとりの生き方・価値観が多様に
・人口減少や高齢化の進展等、環境変化の状況は地域によって異なり、多様性が拡がる
◇主な5つの社会課題(国民不安)
・「支え手」の減少
→高齢者・女性の就労促進(健康上、出産・育児、介護・看護と仕事の両立に課題)
・老後生活資金の不足
→自助努力による資産形成をおこなうこと、ライフプラン等を作成が重要、長期・積立・分散投資が有効だといわれている、金融リテラシー教育の推進を通じ資産形成を促すことが課題
※個人年金保険、 iDeCo、小額投資非課税制度(NISA・つみたてNISA)を比較・紹介
・平均寿命と健康寿命のギャップ
→QOL、就労を継続するためにも健康の維持・増進が重要、要介護者等数の増加は介護・看護離職を招き、特に女性の就労継続に大きな影響を与える
※アンケート調査によると約半数のは健康のために特段なにもしていない、インセンティブ付与に課題
・認知症の増加
→75歳以降で年齢とともに有病率が急上昇、「だれもがなりうるもの」との前提のもと、理解と準備を進めることが求められる
※国も「共生」と「予防」に向け、5つの施策を推進(2060年には認知症の社会的コストは約24兆円との試算)
・その他(少子高齢社会対応全般)
→各種サービスに際する高齢者保護の高度化・利便性向上が求められる、高齢者等の増加に伴い、在宅生活を継続するための生活支援の必要性の拡大、人口減少地域でのサービス維持が求められる
◇上記の5つの課題解決(=国民不安の解消)に向けての論点
・出産・育児と仕事の両立
・介護・看護と仕事の両立
・ライフプラン・マネープランの作成
・充実・複雑化する資産形成商品・制度の理解
・資産形成商品・制度の上手な利用
・健康維持・増進のための知識習得
・健康維持・増進にむけた具体行動
・認知症の理解
・認知症になるのを遅らせる、進行を緩やかにする取組み
・認知症になった際への備え
◇人生100年時代の生命保険業界の役割=3つの安心
・わかる安心
・もしもの安心
・自分らしく生きるための安心
◇わかる安心
・ライフ・マネープランの作成支援
→標準モデルではなく、一人ひとりに基づく人生設計とリスクに対する必要な備え
・わかりやすい情報提供
→リスクの多様化に伴う商品・サービスの多様・複雑化
・ご家族等への情報提供の充実
→高齢期のお客さまのご契約占率は増加、ご家族等に対しても情報提供が重要
・金融リテラシー向上への寄与
→社会人・学生への教育機会の拡充・支援
・ヘルスリテラシー向上への寄与
→「お金と健康」のわかるを後押し
※「全世代対応パッケージ(マンガ・動画・ポータルサイト)」を構築、自助の日(5月28日)の創設
◇もしもの安心
・生命保険商品の変遷
→資料p64の鳥瞰図がわかりやすい、お客様との話材にも使えそう
・近年の生命保険商品の主な開発状況
→医療(入院)、がん、介護、生活習慣病、就業不能、先進医療保障
・BtoBtoCモデル
→ヘルスケア、介護、認知症予防、高齢者の生活支援・見守り、育児等々のサービスを生命保険会社がお客さまと市場の間に立ってワンストップで提供
※民間生命保険は公的保険制度を補完する役割を担う、例えば、高額医療等にTAISURU保障の提供に期待が寄せられた場合、不確実性を踏まえて社会保険の補完として国民の期待に応えていく
◇自分らしく生きるための安心
・資産形成商品の提供(個人年金)
→個人年金保険は低リスク商品であり、投資のエントリー商品として今後も重要性が増す、「つなぎ・上乗せ年金」ニーズも拡大
・長生きへの保障の提供(トンチン年金)
→長生きリスクを相互に扶助により支えるトンチン年金は今後も重要性を増す
・健康増進商品・サービスの提供
→健康状態の把握、維持・改善をインセンティブの付与等により後押し
・ヘルスケアデータを活用したコンサル
→データ集約による健康・医療・介護に関するコンサルティングの提供も期待
・認知症の予防と共生への寄与
→知る・理解する・話し合う、備える、予防する(遅らせる)、早期発見する
※認知症保険の提供にあたり、確実なお支払に向けた取組みを進める、業界として認知症サポーター養成、期待は今後も増加
・介護支援
→介護相談、施設等の紹介・利用、情報提供・検索、メンタスサポート、セキュリティ、研修サービスの提供
→企業主導保育所をネットワークし仲介事業を展開、学童保育支援事業を展開
・高齢者保護・利便の高度化/人口減少地域でのサービス維持
→学資保険、不妊治療保険の提供
・高齢者の生活支援
→デジタルとアナログの対応強化、
※高齢のお客さまサービスの高度化として、ご加入時のご家族等の同席勧奨・第三者による契約確認・ご家族等の連絡先登録・指定代理請求人の指定、ご契約継続期間・お支払手続き時の定期的な契約内容確認・契約内容の通知・現況(安否)確認・ご高齢のお客さま専用ダイヤル・ご遺族のお手続きサポート
※高齢期の生活支援サービスの提供例として、日常の生活支援・見守り・サポートデスク・身元引受・任意後見・死後対応
◇生命保険業界の役割(参考)
・多様な主体(国行政・消費者団体・非金融・金融他業種・大学研究機関・自治体)との連携取組み
・金融ジェロントロジー(老年学)の研究
・社会課代課題と3つの安心の具体的役割の相関(資料p89の鳥瞰図)
◇おわりに
近代生命保険事業が誕生してから約140年、現在では、全国23万人超の営業職員・8万店超のの代理店ネットワーク、年間約19超円の保険金をお支払い